PRACTICE

1.チューニング

楽器を弾く前にまずおこなうのが「チューニング」です。楽器は繊細なものなので、気温や湿気などによって、音程が変化します。弦楽器では、弦の張り具合を変えることで正しい音程に調整します。 コントラバスには4本の弦があり、指で何もおさえずそのまま弓で擦ると、太い弦から順に「E(エー)」、「A(アー)」、「D(デー)」、「G(ゲー)」の音がなります。これは吹奏楽やオーケストラでは主流のドイツ語読みの音階になります。馴染みの「ドレミファソラシド」って、実はイタリア語なんです。なので、わかりやすくドレミで言い換えると、「ミ(=E)」、「ラ(=A)」、「レ(=D)」、「ソ(=G)」になりますね。 この4つの音を、チューナーという機械を使って合わせていきます。

最近では、このようにメトロノームの機能もついたタイプがよく使われています。楽器にクリップをつなげてはかると、より正確なチューニングができるのでおすすめです。 チューナーの近くで、そのまま「A」の弦を弾いて、音が高ければ「ペグ(糸巻き)」と呼ばれる部分を緩めて、音が低ければ締めて、というふうに音を合わせていきます。原理としては、ペグを締めると弦がピンと張られ、早く弦が振動します。すると周波数も高くなるので、音程も高くなるということです。 逆にペグを緩めると、弦の張りが弱くなり、弦も大きくゆっくり振動することで、周波数と同時に音程も低くなるのです。ちょっと物理学っぽい知識になるので、とりあえず「音程を高くしたければ締める、低くしたれば緩める」と覚えておけば大丈夫です。 合奏に入る前には、他の奏者と一緒にチューニングをします。個人のチューニングで合わせた音程を、全員で合わせて微調整・確認するという作業です。いくら難しい曲が弾けたとしても、周りとの音程が揃っていなければ演奏はぐちゃぐちゃになってしまいますからね。オーケストラでは「A」を基準に合わせますが、吹奏楽では、「B(♭H)」で合わせます。弦楽器と管楽器で、基準となる音が異なるのです。だから、吹奏楽部にいたときは「B」の音も入念に合わせていました。

2.ロングトーン

それでは、基礎練習の説明にうつります。まずはロングトーン練習。ロングトーン練習は、一つの音を長く伸ばす練習です。簡単そうで意外と難しいのです。 弦を弓で擦ることで音を出すのですが、弓を擦る圧力・速度を一定にし続けなければ、安定したロングトーンはできません。弓の速度が一定でないと、音量が大きくなったり小さくなったりします。私は中学時代の顧問に「腕の重さだけで弾け」と教えられていました。不自然に弓を弦に押し付けたり引っ張ったりするなということです。特に難しいのは、弓を折り返す時です。一般的に、弓を持ち手方向に動かすことを「ダウン」、その逆を「アップ」と呼び、長いロングトーンはこの繰り返しで成り立ちます。ダウンからアップに切り返す、もしくはアップからダウンに切り返す際、力の方向が逆を向くので、どうしても音にアクセントや切れ目がついてしまします。 弓のどの部分で弾いている時でも、できるだけ同じ速さ・圧力で弾けるようになれば、均一で安定感のあるロングトーンができるようになるでしょう。

3.ピッチカート

ピッチカートは、弦を直接指ではじく演奏法です。ロングトーンより難易度は低いですが、注意すべき点が主に2つあります。1つ目は「響き」です。ピッチカートの最大の魅力である伸びやかな「ボーン」という響きを出すには、左手でしっかりと弦を押さえましょう。2つ目は「音の処理」です。何度も連続して「ボン、ボン、ボン・・・」とリズムを刻んで演奏する場合、一つ一つの音が響き続けてしまうと、次の音の響きと混ざり、音が濁ってしまいます。なので、響いた音は自然に処理することが必要です。手で弦の振動を止めると音は消えますが、せっかく綺麗に響いた音を「プツッ」と切ってしまってはもったいないので、やわらかい音の処理を習得する必要があります。振動する弦を、左手の中指・薬指・小指で優しく包み込むように止めましょう。ピッチカートについてわかりやすく説明している動画がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

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